ソウルのど真ん中なのに、まるで迷路のような細い路地。カンカンと金属を打つ音が響いて、機械の油やインクの匂いがふっと漂ってきます。
ここ、ウルチロは、古くからソウルのものづくりを支えてきた町。「図面さえあれば戦車だって作れる」と言われるほど、熟練の職人や小さな工場がひしめき合うエリアです。
でも今、地元の若者たちはここを「ヒップジロ」と呼んでいます。現役の金物屋や印刷所の上の空き部屋に、看板のない隠れ家カフェやバーが次々と生まれているんですね。
薄暗い路地に入って、ドアに貼られた小さなステッカーだけを頼りに、コンクリートの細い階段を上ってみてください。重くて錆びた鉄の扉を開けると、突然、ネオンが輝く洗練された空間が現れます。
夜になれば、通りに大量のプラスチックの椅子が並んで、ビール片手に干し鱈をかじる人たちの熱気に包まれます。
ただ、大規模な再開発が少しずつ進んでいて、ガラス張りのビルが増えてきました。古いものと新しいものが強烈にぶつかり合うこのカオスな風景は、今だけのものかもしれません。
